恣論のページ

学生時代、教授が「エッセイ」を的確な訳はないが、「随筆」あるいは「しろん」と訳すと解説したとき。
「しろん」って何ですか？という質問をした人がいた。
教授は「ろん」は「論」。「し」はどんな字を書くと思うか、と、逆に問題を出した。

「私」とか「枝」とか、いくつか声が上がったのだが、なかなか正解が出ない。
私はエッセイを「書きたいことを書きたいように書くもの」と思っていたので、これに違いない、と自信満々で手を上げた。

「「恣」だと思います。」
「恣」とは、「ほしいまま」、「わがまま勝手」、「いい加減」の意である。

正解は「試」つまり「こころみの論」であったのだが、教授は「面白い」とむしろ感心してくれた。
なので、私は今でもエッセイとは「恣論」であると勝手に思っている。

墜落寸前に、見えたもの　　　お信じになるかどうかは、おまかせいたします。